「長い休み」が常態化すると
ゴールデンウィークになると毎年このカイパパ通信の過去記事をシェアしてきました。
- 長い休みの間に、家にいて、わが子の様子を体感することで、「異常」の存在に気がつく父親
- 妻に苦労をかけてきたことに気づき、支援機関に相談に行こうと決意する
このようなエピソードを描いています。
今年はコロナで3月から学校が休みとなり、このひと月は親たちも在宅となることが多くなりました。「長い休み」が常態化しています。
長い休みが常態化することの辛い部分は?
子どもにとって
・乳幼児健診が中止されているため、障害の発見が遅れる。
・学校がないため、学校生活を通じた発見が遅れる。
⇒支援につながる機会が保障されない
・学校やデイサービスなど、家庭以外の居場所がなくなる。
・いつもの時間にいつもの場所へ行くルーティンが実行できなくなる。
親にとって
・子どもについて、専門家の支援が得られない。
・子どもの行動が理解できず、不適切な「しつけ」をしてしまう。
⇒子どものパニック多発、生活リズムが作れず、家庭が疲弊する。
・常に子どもが家にいるため、休息することができない。
・ルーティンを実行できず混乱する子どもを持て余してしまう。
・公的機関や親の会によるセミナーや相談の中止により、子育ての勉強、相談ができない。
・先輩親や支援者と巡り会う機会が奪われる。あるいは対面できないために、アドバイスをもらうことができない。
⇒子どもへの不適切な対応。最悪、虐待へつながる。
……。
良い面はないのでしょうか?
子どもにとって
・学校がないことで、安定する。
【学校】不快な刺激に満ちている。環境整備がされていない。スケジュールが変化する。理解できず見通しが立たないまま振り回される。⇒強いストレスによる混乱。
【家庭】刺激が少ない。環境は見知ったもの。決まったスケジュールを繰り返すことができる。
これは子どもによっては実際にあることです。この意味を親としては考えないといけないですよね。
親にとって
・子どもと向き合う時間が増える。色々な気づきがある。
・環境を整えたり、子どもとのコミュニケーション方法をくふうしたり、試すことができる。
・夫婦で話し合う時間ができる。
・他の子と比べる機会が減る。⇒心の傷つきが減ります。
「良い面」について書いてみましたが、これはわが子の障害について親がある程度わかってきて、家庭での環境整備(構造化)が進んでいることが条件になります。
やはり「悪い面」が心配です。
今はネットに情報があふれています。でも、その情報がわが子に合っているのかどうかは経験者に見立ててもらわないと外れている場合が多い。そして、間違った対応をしてしまうと、子が混乱してさらに不安になる。家が暗くなり、夫婦仲も不穏になる。
コロナとの共生に対応して
長引くコロナ禍、「with コロナ(好きな言葉ではありませんが)」「コロナとの共生」なんてことも言われはじめています。リアルで集まることができる日がいつになるのか見通せません。
この状況が一時的終わるものでないのなら、わたしたちは考えなくてはなりません。
親の会にできること
親の会にできることで言えば、ウェブを通じた相談や茶話会、ちょっと背伸びしてウェビナー(ウェブを使ったセミナー)など、やってできないことはなさそうです。もしかしたら、今の親たちには新しいやり方(のほう)が抵抗なく受け入れられるかもしれません。
公的機関にお願いしたいこと
公的機関には、なんとか早く、乳幼児健診を再開していただきたいです。予約時間を細かくして、少人数にしぼる、回数を増やす、など、前例にとらわれず、知恵をしぼれば方法はありそうです。スマホを使った「LINEのテレビ電話を通じた家庭訪問」などもいいのではないでしょうか。医師によるオンライン診察が進められている今、障害の相談もオンラインで対応していただきたいです。