エヴァンゲリオンが完結した。最初のテレビシリーズから25年かかった。
エヴァンゲリオンには大量の謎が含まれていて、謎解きのおもしろさが魅力なのだが、骨となる物語はシンプルだった。
それは、父親が始めたことに落とし前をつけるストーリー。
落とし前をつけたのは、シンジとミサトだった。
セカンドインパクトを引き起こした(ミサトの父親)←ミサト「これまでの全てのカオスにケリをつけます」
人類補完計画を始めた(シンジの父親)←シンジ「父さんのやったことは、僕が落とし前をつける」
- セカンドインパクト、サードインパクトを第2次、第3次世界大戦のメタファーとしてとらえることもできるだろう。
- 2021年の今だと、親世代がつくりだした地球環境破壊や原子力・核がしっくりくるかもしれない。
- それとも、人類補完計画から、人類を「ひとつ」に統合するAIに支配されバイオテクノロジーで管理された未来のディストピアを想定してもいい。
旧劇場版(1997)では、ミサトもシンジも非力で、完全には止めることができなかった(カオスのその後を創れなかった)。だからもう一度「リビルド」してやり直す必要があった。落とし前をつけるために。
「やり直す」ためには、力をつける必要があった。だから、時間がかかった(クリエーター自身が歳をとり、経験と知恵を得た)
落とし前をつけたのが、14歳の子ども(シンジ)と女性(ミサト)だったことは象徴的だ。
今年50歳になるじぶんは、子どもであり、親でもある(ミサトのように)。
エヴァンゲリオンの物語が、なぜ、こういうエンディングでやり直されたのか、25年かかったのか、理解できる。
これまでのやり方では世界がダメになる。
親世代ではもう止めることができない。
Redoできる(やり直せる)のは子ども世代(そこに私も含まれる)であり、女性なのだ。