カイパパ通信blog

カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルの方から来ました

思ったこと

「多数派の無神経さ」に傷ついた経験は、文脈が異なれば「じぶんが多数派として傷つけてきた/傷つけている事実」に思いが至る

comemo.nikkei.com フォトジャーナリスト安田菜津紀さんのnote(日経COMEMO)記事から。女性差別から語り始めて、自身の出自について自らの持つ「特権」をどう使うか?を短文で誠実に語られている。 わたしは3回読み返しました。 "そしてそもそも差別の問題…

あわいのはなし

好き嫌いが激しかった。世の中のものは、好きか嫌いのどちらかしかなかった。そのうち「どちらでもない」が増えてきた。 アンケートの選択肢で表すと 好き ー どちらでもない ー 嫌い で、大体すんできた。 そのうち、はっきりとした「好き」と「嫌い」が減…

国勢調査で障害者が働くことについて考えた

国勢調査の季節ですね。 統計は社会の現状を知る基礎となるもの。最近よく耳にするEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)のもっとも基礎的なエビデンスとなるものが国勢調査です。 世帯主になってから毎回回答をしてい…

イメージで、感覚過敏を想像する手がかり

soar-world.com 感覚過敏は当事者じゃないとわからないものですが、上の記事のように絵やイメージで表現されると、想像する手がかりができますね。「まぶしい」ではなくて「「画面のむこうから、夜の工事現場の照明が自分に直撃している」感覚……「チクチク」…

「NPOと編集」を読んで「NPO批判」について考えてみた

NPOと編集。 huurinntei.hatenablog.com なるほど。この文章を読んで、近頃考えてきたことがつながった。 「NPOが会社と変わらなくなっている」*1とか「"支持"=資金、にするために、(あざといほどに)"感動"を奪い合っている」といった批判は当たっている…

職場環境を劣悪にしてはいけない理由

いまどきオフィスに空調がない職場は少ないと思う。だが、設定温度が高すぎたり低すぎたり。あるいは一定の時間になると切れてしまったりするところはある。 炎天下、水も飲ませずにしごく部活動では、能力アップという練習の本来の目的は失われ、ただただ「…

外国人労働者を増やすことで、地方衰退の解決はできない。

外国人労働者を増やすことで、地方衰退の解決はできない。鳥取県知事が法務大臣に「外国人の都市部偏在解消を」要望した記事を読んで、その思いを強くした。 求人が多く、労働条件がよい都市部に人が集まるのは「重力」が働くのとおなじように自然な流れだ。…

プレーンテキスト

.txt は文字のみを扱える。とてもシンプルなファイル形式。だからOSを超えて、どこへでもいける。 ブログが最初に出てきた時から、なにが面白かったか? 他のブログに言及したり、ニュース記事に反応したり、コメントしあったり、つながる、リンクしあえると…

「あ、人間だ! 仲良くして! あそんで!」

友人と会食をした。彼とは自閉症親の会で出会って以来だから、もう15年来になる。久しぶりだったので、わが子の近況報告から会話は始まる。彼の息子は20歳になる。自閉症で、言葉はほぼない。笑顔がいけてるハッピー・ガイだ。 悩みも含め色々な話をしたが、…

嘔吐の効用 吐いてしまえばラクになる

嘔吐と同じだ。 踊ってしまえばなんとかなる。 秀逸なこの言葉に惹かれて記事を読んだ。 apartment-home.net 吐き気に襲われて一番苦しいのは「吐くかもしれない。どうしよう……」と抑えている時かもしれない。吐いてしまえば、意外とスッキリとする。 人は「…

わたしも環境をつくっている一部です

友人たちと近況報告をして気づいたこと。 「やさしい人がいる」んじゃなくて「やさしくいられる環境がある」ということ。 強いプレッシャーにさらされたパワハラ環境では、人はやさしくいられない。大切にされ守られている環境では、自然と周りの人を助けや…

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。

障害者に関わる事件を取材する記者と話をする機会がありました。 その時の対話でお話しし、考えたことを、いつか書きたいと思っていますが、今日は結論としてわたしが話したことだけ記録しておきます。 「要は、人権が守られていないということなんです」 つ…

きょうだい──障害のある家族の話をするときにみせる、かなしみの表情が晴れるように

カイには、きょうだいはいません。わたしの友人には、障害者のきょうだいの立場の方が多くいます。 昔、児童相談所のベテラン心理士と話をした時のことを思い出します。その方は「私には障害者の家族はいませんが、よくご家族に障害者がいますか?と聞かれる…

1990年代まで強制的な不妊手術が行われていた事実を前にして何を思いますか?

手をつなぐ育成会の声明文を紹介したいのですが、まずその背景を説明します。 旧優生保護法によって強制的な不妊手術が行われていた 日本には優生保護法という法律がありました(1996年に改正され、母体保護法となった)。優生保護法(法文:衆議院HP)…

やっぱりあいちコミュニティ財団のことを議論してファンドレイジングを考えようよという返信の記事

yoshimi-deluxe.hatenablog.com うん。石黒好美さん、よく書いてくれた! とひざを打ちつつ、胸をかきむしりたくなるというアクロバティックな葛藤を引き起こす誠実な文章です。 石黒さんはこの文章で「あいちコミュニティ財団のことは関係者やその周りにい…

かさぶたはいつか癒える?〜心の傷は放っておいても治らない

印象的な記事に出会いました。 plus-handicap.com 引用します。 完了していない感情、心の傷は放っておいてもなくなりません。突然のことで、苦しみから一時的に逃れる、悲しみに暮れる暇なんてないときがありますが、そんなときは、いわば冷凍保存されます…

障害の子をもつ家族支援の障壁となるもののひとつとして

kaipapa.hatenablog.com ↑このカイパパ通信blog記事で問題にした(補正を加えた)ツイートに関して、ツイート主である大久保賢一さんが論文の主張を解説する記事が書かれました。ツイート拡散の影響を放置しないための誠実な対応ですね。ぜひご一読ください…

話題のツイート「親の悲観的思考と自信のなさ」についてカイパパが補正を加えたいこと

Twitterでは文字数の制限があるので、論文の内容要約・紹介はむずかしいです。 特に、要約が衝撃的でキャッチーだったりすると、ものすごい勢いで拡散されていきます。そのツイートの後に、補足ツイートがついていたりするのですが、補足は読まれずにパンチ…

国が発達障害当事者や家族同士の交流を応援。そこで思うのが「親の会」の存在意義とは?

www.jiji.com (引用)事業では、発達障害者本人や家族同士のピアサポートの場づくり▽発達障害の子どもを育てた経験を踏まえて相談に乗る親「ペアレントメンター」の養成やその活動支援▽子どもの成長に関する保護者向けの講座実施-などに取り組む自治体を支援…

初めてわが子の自閉症の診断を受けたお父さん、お母さんへ

来週の川崎医療福祉大学での講義の準備をしています。カイの障害がわかった時に、自分が何を考えていたかを思い出すために昔の記事を再読しています。「初めてわが子の自閉症の診断を受けたお父さん、お母さんへ」は、カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルで…

セレブが「わが子は自閉症だ」とカミングアウトしてくれたらいいのに、と思っていた。

昔、発達障害者支援法がまだなかった頃だから、10年以上前の話です。わたしは「どうしたら自閉症をもっと一般の人に知って理解してもらえるか?」を考えていました。今よりずっと切実に。ブログを始めたのも、もっと理解者を増やしたいと思ったことが一番の…

明けましておめでとうございます。2018年、おだやかな暮らしができますように。

はてなブログで初の新年のごあいさつです。 12月29日にこちらに引っ越してきて、投稿はまだ慣れず手探りなところがあります。新たな機能を発見して「こんなことができるのか!」とか「直接コピーするとフォント情報も引き継いじゃうのか」とか新鮮なおどろき…