カイパパ通信blog

カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルの方から来ました

外国人労働者を増やすことで、地方衰退の解決はできない。

外国人労働者を増やすことで、地方衰退の解決はできない。
鳥取県知事が法務大臣に「外国人の都市部偏在解消を」要望した記事を読んで、その思いを強くした。

求人が多く、労働条件がよい都市部に人が集まるのは「重力」が働くのとおなじように自然な流れだ。「地元」をもたない外国人ならなおさらのこと。人の偏在は富の偏在とイコールだ。富の偏在をならさずに、それでも人の偏在をならすには「移動を強制」するしかない。

技能実習生が地方に多い(地方にとどまっている)のは、技能実習生は就業先を選択できない仕組みにしているからだ。辞めたら帰国しなければならないため、労働条件が劣悪でも逃れられない構造になっている。逃げ出せば在留資格が取り消され、不法滞在の犯罪者になってしまう。就業先を変えたかっただけなのに。*1
新しい在留資格「特定技能」は、就業先は自分で選べるところが大きな改善だが、「外国人労働者を地方におくれ」という主張が政治的に受け入れられると、就業先選択の自由が制限され、技能実習制度の二の舞になりかねない。

根底に流れている発想が、外国人を「人格のない家畜」か何かのように考えていないか?と疑問に思う。だから「操作可能な存在」として管理(コントロール)しようとする姿勢になる。職業選択の自由は(居住移転の自由も)基本的人権であり、国籍にかかわらず認められるものなのに。

*1:2017年11月施行の外国人技能実習法によって、外国人技能実習機構が転籍を支援する仕組みが作られた。改善されるか注目したい。